しずごん

街が暗闇に包まれると
彼女は機嫌が悪くなる
僕が何を言っても
「うん」か「違う」かしか言わない
僕がどんなに可笑しいことを言っても
白日の下眺める笑顔は出て来ない

いつだったかな
別れ際に尋ねてみたんだ
ずっと抱いていた 疑問を
ぶつけてみたんだ
「どうしてお月様と仲が悪いの?}と

彼女はその時が夜だったのに
ほんの少し
見落としそうだったけど
微笑んで言った
「お月様は無力だから」

今僕は誰にも彼にも笑いかけたりなんかしない できない

「貴方は無力だから」
別れ際の駅のホームに吸い込まれてった