ポイントカード。
母親が拒食症になった。
彼女は外見と違って本当に心に傷が付きやすい。
ここ数週間、彼女は殆ど食事と名づけられる行為に手を出していない。
二三日前だ。
やっと普通にご飯を食べられるようになったのかと思った。
以前と同じ物凄い食欲。がつがついく。
心底安心していた。
なのに。
彼女は、食欲が戻ってからというもの、
毎食後嘔吐を繰り返していると言う。
もう、なんて言えばいいのかわからないし
掛ける言葉も見付からない。
「摂食障害」なんて
遠い遠い話だと思っていたのに。
最も、と言っていい程近い存在である母の拒食症を治せずに
何が臨床心理士だ。
なれるわけない。そんなのなれるわけない。
わたしなんかが他人を救える筈が無い。
少しだけ取り戻した自信も
頑張ろうって気力も失せた。
このまま痩せ細ってゆく母親をじっと見ていろと言うのか?
悔しい。
わたしは家族すら救えないのに他人を救いたいと言っていた。
情けない。
もう、なんか、苦しい。
せめてカウンセリングができれば、と思う。
話を聞くくらいなら私にもできるかも知れない。
しかし、親子関係は最も難しいものだから。
変に遠慮するだろな、母は。
まずそんな力無いんだけど。カウンセリングなんて、ねぇ…。
誰一人救えないなんて
わたしは消えちゃってもいいんじゃないかい。